ごみっと・SUN50号
 ごみっと・SUN50号記念特集

『ごみかん』の歩みとごみ問題の変遷

  ごみっと・SUNが今号でめでたく50号になりました!
97年5月の創刊から8年4ヶ月隔月に発行してきた「ごみっと・SUN」はごみかんと会員の皆さんをつなぐ大切な情報紙であるというだけではなくごみかんの歴史そのものでもあります。
49冊の「ごみっと」をひも解きながら、ごみかんの進化を辿りこの間のごみ問題を振り返ってみました。



1996.12 三多摩発アクションフォーラム
『21世紀のごみを変える』開催

1997.5 ごみ・環境ビジョン21の準備段階として
<市民環境情報センター> 発足

ごみっと・SUNと
 主要なセミナー

97.5  No.1
「ごみっと・SUN」創刊



97.7  No.2
○塩ビと
 ダイオキシン

「ごみかん」の
 種を蒔きました



97.9  No.3
○危険な
 塩ビの焼却



97.11  No.4
○未来を奪う
 環境ホルモン


98.1  No.5
○日本のごみ VS
 ドイツのごみ



98.3  No.6
○有機資源として
 の生ごみ

 
『ごみかん』の歩みとごみ問題の変遷

始まりは日の出処分場への問題意識から
 ごみかん(ごみ・環境ビジョン21の略称)の歴史は、日の出処分場問題を抜きには語れません。
 東京都三多摩地域26市1町(当時)の最終処分を一手に引き受けていた日の出町谷戸沢処分場の環境汚染問題は、現代のごみ問題が、ごみの量だけにあるのではなく、その質こそが問われるという提起でした。
 その中で、日の出現地の支援活動から始まった各市の市民たちの運動は、ごみを出す側の、言い換えれば加害者としての、自らの暮らしや各市のシステムの見直しへと軸足を移し、新しい視点での活動へと踏み出したのです。
 1996年12月、先進地ドイツのNGO“BUND”の創立メンバーを招いてのフォーラム『21世紀のごみを変える』は大成功を納め、「ごみは必ず減ります!」という言葉に励まされて、ごみかんの前身「市民環境情報センター準備室」が発足、97年5月のことでした。
 思えばごみかん理事の何人かは、最終処分というごみ問題の最下流で出会い、ごみっと50号を経る中で、容リ法をはじめとする国の法整備の中に拡大生産者責任をいかに盛り込むかという、最上流域の課題に取り組むに至ったわけです。

ごみが環境を脅かす
 さて、話を97年当時に戻すと、一部の学者や市民たちが長年指摘し続けていたダイオキシン問題が、大きく取り上げられた年と言えます。
厚生省(当時)が全国の焼却炉のダイオキシン排出量調査(排ガス中)を一斉に行い、その結果を受けて新ガイドラインを作成しました。
しかしその内容は、緊急時における規制値の甘さはもとより、恒久対策は、重装備の大型炉や高額なバグフィルターの設置を加速させるものでしかありませんでした。

 「脱焼却・脱埋め立て」を合い言葉に運動を進めてきた私たちは、三多摩地域のネットワークを駆使して各自治体の情報を集めると同時に、個別課題に専門的に取り組んでいるグループとコンタクトを取って、最新の情報を発信しました。
 多岐に渡る情報をインプットし、整理して少しでもわかりやすくアウトプットする、これが草創期の「ごみっと」の姿勢であり、各地でごみ問題に取り組む多くの読者に歓迎された点であったと思います。

 科学技術がもたらした環境と生命を脅かす有害化学物質をさらなる科学技術で抑え込む、という国の姿勢に対して、多くの市民グループは、原因となっているごみ処理方法の見直しや原因物質の排除を求めました。
行政に対し反対や要望をするだけでなく、システム全体について、また生ごみ、紙類、プラスチックなど種類別に具体的な対案が盛んに出されつつありました。
市民運動は正にその運動スタイルの転換期を迎えていたのです。

ここまで*吉崎:記

1998.5 “ごみかん”こと
<ごみ・環境ビジョン21> 始動

ごみっと・SUNと
 主要なセミナー

98.5  No.7
○検証!
 ごみ処理の
 新技術


98.7  No.8
○ごみと向き合う
 環境教育
98.7 ごみ大学セミナー
 教育が切り拓く
 21世紀の環境

98.9  No.9
○これで有効?
 「ごみ」の法律
98.11  No.10
○自治体のごみ
 焼却炉と周辺
98.7 ごみ大学セミナー
 みから変える
 わたしのまち
99.1  No.11
○自治体のごみ
 焼却炉と周辺
  PART 2

99.3  No.12
○PRTRを
 市民のものに

99.5 ごみ大学セミナー
 我が家の
 ごみ減らし
 あれこれ

99.5  No.13
○新アセス法を
 生かすために

99.7 ごみ大学セミナー
 こうすれば
 変えられる
 まちのごみ

99.7  No.14
○プラスチックと
 どう向き合うか
99.9 ごみ大学セミナー
 時代はもう
 ごみゼロへ


99.9  No.15
○リサイクルと
 いう名の
 紙の氾濫
99.11 ごみ大学セミナー
 どう考える?
 生活にあふれる
 プラスチック


99.11  No.16
○どうなる?
 容リ法
00.1  No.17
○日本は
 循環型社会に
 向かえるか?

00.1 ごみ大学セミナー
 どう作る?
 循環型社会の
 法律


00.3  No.18
○最終処分を
 問い直す
00.3 ごみ大学セミナー
 知恵を集めて
 大検討会

00.6  No.19
○産廃はどうなる
00.6 ごみ大学セミナー
 いのちと自然
 から
 ごみを考える
 
『ごみかん』の歩みとごみ問題の変遷

ごみにも新たな学習が必要
 助走期間の「市民環境情報センター準備室」を経て
「ごみ・環境ビジョン21」がスタートしたのは1998年5月30日、忘れもしない「ごみゼロの日」でした。

 活動の目玉「市民ごみ大学」、第1回目は【教育が切り拓く21世紀の環境】と題し、講演、学校での実践報告、参加者同士の討論と盛りだくさんで、2日間にわたるセミナーは大盛会でした。
“環境学習”は「ごみっと」でも取り上げ、新生ごみかんの柱といえる活動になりました。

 次年度の99年は“ごみ”を切り口に年6回の連続セミナーを開催。
プロジェクトチームを組み年間計画を練りました。
隔月に「ごみっと」の発行とごみ大学の開催、第2回目からは講演録作りも加わって…、あの頃はみんな若かった!

 草の根を得意とするごみかんにも、21世紀を迎えるにあたり新たな「学習」が求められました。特集で取り上げた「PRTR」もそのひとつ。
「環境に影響を与える可能性のある化学物質の種類や排出量などを事業者が報告、それを受けた行政が公開する制度」のことですが、麦わら帽のおじさんと同じ「未知との遭遇」でした。

 他にも、自治とごみ、焼却炉、アセスなど、法律、条例、規制から炉の構造まで、資料を傍らに置いて書いた特集には悪戦苦闘の跡が見えます。

 今では事業所から学校、自治体まで取得するのが当たり前になった「ISO14001」もこの頃登場。

ダイオキシンと塩ビ、そして焼却炉談合
 99年2月、テレビ朝日のニュースステーションで「所沢の野菜はダイオキシン濃度が高い」と報じられ、大騒ぎになりました。農家への風評被害が広がり、報道の杜撰さが社会問題化する一方、国のダイオキシン対策の甘さが露呈しました。

 ごみかんもダイオキシン問題の学習会や交流集会などに参加し、他団体と連携を深めました。
3月には現地の人の案内付きで産廃銀座見学会を実施。雑木林の中に突如出現する焼却炉や野焼きの跡に憤り、怖いドーベルマン犬やオニーサンには吼えられ!「百聞は一見にしかず」を肌で感じました。
現場には足の踏み場もないほど廃プラが散乱。

 後に「プラスチック」については「ごみっと」とごみ大学で取り上げ、しっかり学習しました。基礎的な知識、処理の実情や問題点などの蓄積は、容リ法改正の運動にも活かされています。

 その後、ダイオキシンの主な発生源といわれる塩ビをめぐりメーカーとの論戦が加速していきます。
脱塩ビとプラスチック表示を求める運動に、ごみかんも積極的に関わりました。

 ごみの上流をターゲットにした運動の陰で、くすぶり続けるのがメーカーの「談合」問題です。
公取委が立ち入り調査した報道をネタに紙上座談会を掲載、メーカー、コンサル、自治体(国・都道府県)の「だんご〜三兄弟」もお目見えしました。
メーカーはもちろん、行政の責任も免れません。
多摩地域でも90年代以降に建てられた炉は、ごみ量の倍以上もある大型ばかりであることが判明。
市民有志が公取委に申告書を出しました。

ガス化溶融炉、エコセメントへの問題提起
 ダイオキシンの本格的な規制が始まる頃を見計らって、ガス化溶融炉が自治体に導入され始めました。
高温で溶かす、溶融スラグが再利用でき処分場がいらない、分別が不要などを売り文句に、焼却炉に代わる次世代型施設として、建て替え計画の選択肢に必ず加わるようになりました。

 安全性もさることながら、分別収集、リサイクル、そしてEPRの徹底という方向が示された現在、ごみの減量政策との整合性が問われます。

 新技術といえば、多摩地域では焼却灰をセメントにする「エコセメント化」導入に対して、三多摩地域廃棄物広域処分組合に公開質問状を提出、焼却灰の発生予測量を1万トン下方修正させました。

 構成する26自治体は処分場の時と同じ運命共同体として、事実上処分組合に委任、まもなく実証実験が始まり、2006年4月には稼動という段階まで進んでしまいました。

ここまで*服部:記

               
「循環型社会」への道は拓けるのか?
「循環型社会」への道は拓けるのか?  90年代の終わりから2000年にかけて廃棄物行政にかかわる新法の制定が相次ぎました。
なかでも、2000年5月に制定された「循環型社会形成推進基本法(循環法)」は、その後の産業界のあり方や行政施策の方向性を左右するものでした。

 法律は基本理念こそ「環境への負荷の少ない持続可能な社会の形成を社会経済構造を変えることによって達成する」としていましたが、内容は「物質循環」に限定されているため、大量リサイクルが助長されてしまい、問題の多いRDF、そしてごみ発電までが循環利用とされています。
焼却路線を堅持したまま、一方で新世代技術や静脈産業による経済の活性化という経済政策をにらんだものでした。

 なによりEPR(拡大生産者責任)における生産者の経済負担が明確でなく、これが容リ法改正論議を硬直化させる要因にもなっています。

 法の成立に先立ち、市民グループが市民案を出すなど活発に動き、また円卓会議を開いて(ごみかんも参加)政府や国会へ働きかけましたが、市民向けの公聴会やパブコメの募集もないまま提出され、国会を通過してしまいました。
施行直前に東京と大阪で開かれた環境庁(当時)主催のシンポジウムでは、ごみかんはパネリストとして問題点の指摘と市民側からの提案をしました。

2000.7 何のためにごみを減らすのか
絵本<ごみのへらしかた> 発行

ごみっと・SUNと
 主要なセミナー

00.8  No.20
○ミレニアムの
 ドイツから


00.10 ごみ大学セミナー
 多摩の企業の
 ごみ政策



11.11  No.21
○「どうする?」
 家電
 リサイクル法


00.1 ごみ大学セミナー
 企業から変える
 スウェーデンの
 ごみ・環境政策



 

 


ビジョン座の魔女

 
『ごみかん』の歩みとごみ問題の変遷

いのちと自然循環からごみを考える
 循環法の根本的な問題点は、自然の循環と生態系を護っていく(人間が損なわない)という環境行政の根っこともいうべきものが抜け落ちていたことです。
私たちは何のためにごみを減らさなくてはいけないのか、この素朴な疑問への答えこそが、方法論の前になくてはならないと思います。

 2000年度第一回の「市民ごみ大学」では、環境学習をテーマに塩瀬 治さんを講師として、ドイツの実践例や行政施策を学びました。

 実際のドイツを見てみたいとの思いがますます膨らんだこの頃、絵本(後述)の出版でお世話になった星の環会の栗山さんに誘われて、12日間の視察の旅をする機会に恵まれました。そこで私たちは、具体的な事例ばかりでなく、ドイツという国の環境政策の根本にあるものを、出会った町や人々の中に感じ取ることができました。

 この旅に携えたのが、ごみかん発行の二冊の本でした。一冊は塩瀬さんの紹介で知ったドイツのNGO・NABUの本を翻訳出版した「生徒・児童のための環境を守るヒント集」。
NABUの本部を訪問しました。もう一冊は、全労済の助成金を得て出版したばかりの絵本「いのちのまちをつくる ゴミのへらしかた」
星の環会から出したことで、全国の図書館に備えられたこの本は、当時のごみかんの集大成ともいうべき内容を盛り込んだものです。
そして帰りの飛行機に乗る頃には、二冊目の絵本の構想が芽生えていました。

 旅から帰った9月、環境学習部会を立ち上げました。
先行して99年末にできた「生ごみ部会」は現地の見学会や自治体の実態調査など活発に動いていました。部会活動は、運営委員以外の方々も参加しての、広がった活動の場でした。

 環境学習部会からは一年後に「環境劇団ビジョン座」が誕生し、各地に招かれて「なぜごみが問題なのか…現代のごみがあらゆるいのちを脅かす」をテーマに、劇形式の環境教室を行ってきました。

21世紀の幕開け<力を蓄えるごみ・環境ビジョン21>

ごみっと・SUNと
 主要なセミナー

01.1  No.22
○根から変える
 21世紀のごみ


01.2 ごみ大学セミナー
 自治体から
 変える21世紀
 ごみ行政
01.3  No.23
○輸入資源と
 ごみの累積
01.5  No.24
○地域通貨を
 知っていますか
01.7 ごみ大学セミナー
 賢い消費者の
 家電法対策
01.7  No.25
○追っかけルポ
 魚アラ完全
 資源化ブラント
01.9 ごみ大学セミナー
 100円ショップ
 のからくり
01.9  No.26
○仕組まれた
 大量消費
01.11 ごみ大学セミナー
 地域が支える
 環境学習
01.11  No.27
○中国の
 ごみ問題
02.1  No.28
○家庭ごみの
 有料化を
 どう考える
02.2 ごみ大学セミナー
 がんばれ生ごみ
 リサイクル
02.3  No.29
○あなたの
 まちのごみ
 半分は事業系
 
『ごみかん』の歩みとごみ問題の変遷

市民社会は成熟したが、世界は先が見えなくなった
 漠然とした希望を抱かせた新しい世紀の始まりの年、それを一気に打ち砕く出来事が人間社会に起こりました。
同時多発テロと報復戦とも言えるアフガンそして続くイラクへの攻撃。
日本政府のアメリカへの支持表明と自衛隊の派兵……。

 不況も長引き、閉塞感の蔓延する日本でした。
しかし、市民社会の成熟は進み、社会の担い手として市民事業を位置づけていこうと「NPO法」がつくられ、法人化する団体が加速度的に増えつつありました。
ごみかんも法人化を目指すこととなりました。

 この頃ごみかんの事業は、すでに今につながる何本かの柱を持ち、ひとつひとつの充実度も増しつつありました。
常に最新の情報や日本各地の地域での状況をわかりやすいイラストとレイアウトで発信する「ごみっと」、アクセス数がうなぎ上りのホームページ、時代のニーズを汲み取りつつ総力をあげて仕掛ける「市民ごみ大学セミナー」、そして抜け目なくそれを講演録として出版する事業、さらにごみ問題の社会的関心の高まりを反映しての講師派遣etc。

 法人化へ向けて設立総会を開いたのは、あのフォーラム『21世紀のごみを変える』から丸5年経った2001年12月22日のことでした。

ここまで*吉崎:記

 

100円ショップと大量消費

2002.7 ごみ・環境ビジョン21
NPO法人として新たな船出

ごみっと・SUNと
 主要なセミナー

02.5  No.30
○話題騒然
 杉並区の
 レジ袋税


02.6 ごみ大学セミナー
 古紙リサイクル
 という名の
 紙の氾濫

02.7  No.31
○変わる
 変わらない
 廃棄物処理法
02.9  No.32
○環境のまち
 づくり
 フライブルク
02.9 ごみ大学セミナー
 どうする
 プラスチック
 処理
02.12  No.33
○ごみ有料化
 初日ゴミ収集車
 に乗って
02.12 ごみ大学セミナー
 ごみを出さずに
 サービスを売る
03.1  No.34
○市民が作る
 21世紀の社会
 システム
03.2 ごみ大学セミナー
 生ごみの新たな
 利用バイオマス
03.3  No.35
○どうなる
 循環型社会の
 ゆくえ
03.5  No.36
○ごみをめぐって
 本音でトーク
03.6 ごみ大学セミナー
 焼却炉過剰の
 時代がそこまで
 来ている
03.7  No.37
○海のいのちを
 脅かすもの
03.9  No.38
○変えるのは今
 容リ法
03.10  講演会
 宇井純が語る

 環境と市民自治
03.11 ごみ大学セミナー
 ハリファックス市
 画期的な
 ごみゼロ政策
03.11  No.39
○ベルクマンさん
 がやってきた
04.1  No.40
○社会を変える
 運動をサポート
04.3  No.41
○生ごみ堆肥化
 取り組み
 
『ごみかん』の歩みとごみ問題の変遷

 02年5月、ごみかんは「法人化までの結構面倒な手続き」を終えて、めでたくNPO法人になりました。
「設立レセプション」に駆けつけたごみかんな人々からお祝いや温かな励ましをいただき、新理事たちは5年間の苦労もどこへやら、楽しい船出となりました。

 1年後の5月には、「ゴミのへらしかた2ドイツに学ぶ」を刊行しました。
ごみかんとは縁の深いドイツを舞台に物語仕立てで読みやすく、資料には訪独した際の直近情報も盛り込むことができました。
絵本で紹介したリユースカップ、風力発電、路面電車などなど、日本でもエコな暮らしが少しずつですが、浸透しつつあります。

「地域」にこだわった2002年…
   掛け声倒れになった循環型社会元年を踏まえて、02年、ごみかんは地域にこだわりました。  折しも東京都市長会が前年に出した「03年までに多摩地域の全市で家庭ごみ有料化」という突然の発表に対し議論が沸騰しました。
市長会が推進の裏付けとして挙げた青梅市や日野市などの減量は、ダストボックスの廃止など複合的な政策によるものであることが判明、「ごみっと」で特集を組みました。

 また、減少傾向にある家庭ごみに反して増えている事業系ごみに着目、リサイクルの立ち遅れやただ乗りなど事業者側の問題に加え、行政対応が不十分であることを検証しました。

 とは言っても、両者ともまだまだ問題は山積みです。特に家庭ごみの有料化については、原則論的な批判だけではなく、個別法が制定されリサイクルが進みつつある現状や地域の実情を踏まえた議論が求められています。

生ごみリサイクルをどう広げるか
   「燃やさない、埋めない」から出発したごみかんにとって、“生ごみ”はその切り札的存在です。
これまでも自治体の実態調査、見学会や交流会、行政へリサイクルを提案するなどさまざまな活動を行なっています。


市民ごみ大学では01年度に「生ごみリサイクルの取組み」、02年度に「バイオマスエネルギー」と生ごみをテーマにセミナーを開催、どちらも参加者が多く、関心の高さを再確認しました。バイオマス技術はまだ途上ですが、有限である石油資源の代替エネルギーとして、地域に広がる可能性を秘めています。

 一方で、堆肥の受け皿である農地が確保できる地域は別として、都市部では回収がネックになり、学校給食など公共施設や個人レベルでの堆肥化のほかは、大きな進展がみられないのが現状です。

企業を動かす!「ごみ探偵団」とレジ袋税
   ドイツのNGO「BUND」から学んだアクションのひとつは、企業へのアプローチでした。情報提供や行政への働きかけは得意な日本の市民運動も事業者を巻き込む活動はまだまだ発展途上です。

 そこで、02年6月から国際環境NGO「FoE Japan」と共に「ごみ探偵団」を結成して、ファストフードとコーヒーチェーン各20社のお店で、使用する食器について調査をしました。
新聞なども使って団員を募集したところ、約60名の団員が集まりました。
夏休み中の「子ども探偵団」も加わり、直接お店に出向いて調べました。

 その後、スターバックスやマクドナルド本社などを訪問してヒアリング。
ユーザーが足で集めた280店舗の「使い捨てか、マグカップか」などの集計データは説得力があり、中身の濃い意見交換ができました。
環境配慮と経済性の両立、法規制、容器比較などの課題も浮き彫りになりました。
NPOがメーカーに対して直接アクションを起すのはまだ珍しく、新聞でも取り上げられました。

 同年3月、杉並区でレジ袋に5円を課税する「杉並環境目的税(レジ袋税)」が可決されました。
杉並は不燃ごみの中継施設が原因で化学物質過敏症である「杉並病」が起こった自治体です。
区は施設の廃止を決めましたが、「レジ袋税」には「杉並病」を払拭したいという区の意図も感じられます。

 何はともあれ、「レジ袋税」は連日のようにマスコミに大々的に取り上げられ、議論を誘発しました。
ごみかんもごみ処理の問題から発生抑制へ、そしてメーカーや流通業者の社会的な責任を問い質す活動へと幅を広げていきました。

ここまで*服部:記

地域の活動から、企業・国への働きかけへ

ごみっと・SUNと
 主要なセミナー

04.3  シンポジュウム
 徹底討論!
 「容リ法」


04.5  No.42
○徹底討論!
 「容リ法」
04.6 ごみ大学セミナー
 これからの
 プラスチック
 処理
04.7  No.43
○ごみかん
 人物探訪
04.9  No.44
○焼却炉解体
04.10 ごみ大学セミナー
○ペットボトルの
新しいリサイクル
04.10  レジ袋削減!活動交流会 2004



04.11  No.45
○レジ袋を
 減らそう
05.1  No.46
○上勝町
 ごみゼロへ挑戦
05.3 ごみ大学セミナー
○徹底討論!
 容リ法

05.5  No.48
○愛・地球博
 ごみかん的
 見学記
05.6 ごみ大学セミナー
 国外リサイクル
 アジアへ向かう
 循環資源
05.7  No.49
○どう考える
 国外リサイクル
05.8
ホームページ
 アクセス数
 30万件
05.9  No.50


ありがとう
これからも
よろしく
 
『ごみかん』の歩みとごみ問題の変遷

いよいよ容リ法改正運動へ!

 95年に制定された「容器包装リサイクル法」は、97年の施行から10年目となる07年が改正の年とされ、05年には見直しに向けた検討が始まることを見越して改正運動がスタートしました。

 03年春、呼びかけ人会が発足、同年10月4日、『容リ法の改正を求める全国ネットワーク』が設立されました。
ごみかんは参加団体として、署名活動を始め、シンポジウム、市民ごみ大学セミナー、学習会の開催、「ごみっと」やホームページでの情報提供などを精力的に行ってきました。

 215団体、182名が参加する「全国ネットワーク」は、04年5月末までに約100万筆の署名を集め、国会に提出しました。また、リサイクル費用の負担に苦しむ全国の自治体の議会からは、改正を求める意見書が続々と上がりました。

 このような活動や世論の高まりを受け、予定より早く国が見直しに向けて動き出し、04年7月からは環境省の中央環境審議会、経産省の産業構造審議会で検討が始まりました。

 現在は、7月に両審議会で容リ法見直しの「中間とりまとめ」が公表され、パブリックコメントを受けて審議が再開されています。
11月末には最終案が提出される予定で、まさに容リ法改正は最終コーナーに差しかかっています。
今度こそ、ごみを減らす法律に変えたいものです。

 

ペットボトルビール反対!
 04年7月9日、アサヒビールが「ペットボトル入りビール 年内発売」と突然、新聞発表しました。“拡大生産者責任”を求める声が高まっている時に全く何ということ!

   さっそく7月12日付けでいち早くアサヒビールに公開質問状を送りました。  ビールのトップシェアの企業として社会的責任をどう考えているの!? ごみかんは「ごみっと・SUN」やホームページを通して、ペットボトルビール反対の声を上げよう、と呼びかけました。
そしてついにアサヒビールから、9月30日「当面、発売は見合わせます」との回答が!

すでに、生産ラインの発注を出していたそうですが、「新商品の発売によってアルコール市場においてもペットボトル容器の普及が予測していた以上に加速し、リサイクル市場に多大な影響を及ぼす」と判断しての「当面見送り」でした。

 しかし、すでにドイツではビールのシェアの6%(ごみっと・SUN45号p14「Rihoのドイツ便り」)、韓国でも3割(ごみっと・SUN48号p8「変えよう!容器リサイクル法」)にも達しているペットボトル入りビール。
油断せず、消費者としてこれからも「No!」と言っていく必要があります。

「レジ袋」を切り口に…いかに減らすかプラスチック容器包装
 ごみを減らすには買物の時からの実践が肝心、ということを販売事業者と市民と行政が協働できる「レジ袋削減」を通してアピールしよう、と、各地でさまざまな知恵を絞った取組みがなされています。

 ごみかんでは、ごみの発生抑制のための象徴的な取組みといえる「レジ袋削減」に焦点を当てて情報を発信してきましたが、地域で実際に活動している人たちが集う交流会を開催し、さらに輪を広げていこう、と04年8月に実行委員会を立ち上げました

 04年10月31日に開催した「レジ袋削減!活動交流会」では、行政・事業者・市民団体から取組みの報告を伺いました。
その中で、マイバッグキャンペーンを精力的に行い、レジ袋辞退者への特典制度などもアピールして、実際に、レジ袋を断わるという行動に結びつくのは、よくて3割が限度だろう、という報告がありました。

    実行委員会では海外の事例などから、もうレジ袋を無料配布している時代ではないのではないか、消費者サービスとは何か、などを検討した結果、全国の火付け役になって、レジ袋の無料配布を見直すことに焦点を当てた運動を起こそうという結論になり、さっそく、05年3月から各方面に働きかけを始めました。

 その後、国の方針として「レジ袋の有料化」が打ち出されるようになり、10月29日の「レジ袋削減!活動交流会2005」はずばり、有料化がテーマです。

ここまで*江川:記



 49冊の「ごみっと・SUN」を読み返しながら急ぎ足でごみ・環境ビジョン21の歩みとごみ問題の変遷をたどってみましたが、いかがでしたか?

 最近入会された会員の方にも、過去の歴史が少しおわかりいただけたでしょうか。
これからもいっそう紙面の充実を図っていきたいと思います。

 会員以外の方にお願いです。
ごみ・環境ビジョン21の活動に賛同された方は入会し、一緒に活動してごみ問題を解決したり、活動の支援をしていただきたくお願いします。
入会の案内はこちらから



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