エコロジー は エコノミー
エココロジーな暮らしは大切だけれど、環境にいいからって、高いものを買ったり、不経済な生活するのってなんか変!     …とごみっと母さんは思います。そこで新シリーズで始める『エコロジーはエコノミー』。
ひとり一人の生活から社会システムまで、あちこち探してレポートします。

 

あの手この手でアピール
“むさしのマイバッグ・キャンペーン”
 

 昨年、東京・三多摩地域では次々と容器包装リサイクル法にのっとったペットボトルやその他プラスチック容器の収集が始まりました。
そのトップバッターが武蔵野市。今回のエコエコは、筆者も関わる“むさしのマイバッグ・キャンペーン”の紹介です。

 さて市内の繁華街である吉祥寺は、デパートから屋台まで大小の商店が所狭しと建ち並び、ここが三多摩?と首を傾げたくなるほどです。
ごみ減らしに奔走する市民さえ、そのたくましい商魂に圧倒されます。多過ぎる商店を相手に何かできないかと考えた挙句、目をつけたのは「レジ袋」。ちょうど容リ法でのプラ回収が計画された4月頃のことでした。
 各家庭から出されるレジ袋を容リ法の対象として集めることになれば、税金を使ってリサイクルしなければなりません。
今こそ「マイバッグを進めよう!」と話はまとまり、ごみ団体の老舗「クリーンむさしのを推進する会」に提案、5月にマイバッグ・キャンペーン部会が発足しました。

 

50%以上のお店が協力の意思表示

 活動のスタートとして、市内のコンビニ、スーパー、デパート85店舗の実態調査を行ないました。
アンケートの内容はレジ袋の使用枚数、材質、マイバッグ持参の呼かけ、対応など。
 結果は、コンビニより大型店のほうが、事業者としての取組みは進んでいましたが、いずれにしても消費者のマイバッグ持参率は低く、ゼロに近い店舗が半数を占めました。
 キャンペーンへの協力を仰いだ最後の質問には「協力したい」が50%、「検討してみたい」の20%を含めると、約70%の事業者から前向きな回答があり、大いに励まされました。

 

マイバッグの材料は傘の生地

バッグ作り講習会
 メンバーのひとり、白石ケイコさんが中心となって進めているのは、不要になった傘を利用したマイバッグ作り。生地を骨から剥がし、洗ってアイロン掛けまでが前処理、その後でやっと袋作りですから、手間も暇もかかります。

 ところが、防水性のオリジナルバッグは、元が傘とは思えない仕上がりで、今や市内アチコチで開かれる講習会は大入り満員、大繁盛!

 材料の傘は地域の学校などから、捌ききれないほど提供されるため、白石さんはまず、ごみを出さない 暮らしについて話をしてから、マイバッグ制作を進めています。

 

ターゲットは“茶パツ金髪”

リーフレットの挿し絵
 レジ袋のうちごみになるのは何といっても小レジ袋。
たった1本の小型ペットボトルをレジ袋に入れる、なんてまさにごみを買っているようなもの。
そんなコンビニ派の茶パツ金髪のオネーサン、オニーサンこそがターゲットです。
 税金を払っていない彼らが生み出す容器包装ごみをマイバッグ当たり前の元オネーサンが後始末するなんてたまりません。

 また数は少ないですが、「協力OK」の意思表示をいただいた店舗などに、若者仕様の三つ折リーフレット(左がその表紙)を置かせてもらっています。
 市内で開かれた環境キャンペーンや消費生活展の参加を経て、いよいよ来る7月15日には某スーパーの店頭でオリジナル・ロゴ入りエプロン、横断幕、ノボリ旗で初の「街宣デビュー」! 行動はボチボチでも、“オリジナルグッズ”だけは、先輩・北本市(埼玉県・数年前から買い物袋持参運動に取り組んでいる)にも負けていません。
 企画には地元の小学生も参加する予定です。店頭キャンペーンは、これからの大きな目玉で早くも次の店舗をあたっています。

 

ごみはないけど夢がある武蔵野に

ごみかんの交流会で
発表する白石さん
 新聞報道のデータによれば、輸入された原油5億7800万リットルを使って作られた年間280億枚ものレジ袋がごみになっているということです。
レジ袋は容積比で家庭ごみ全体の9%を占めるということですから、みんなマイバッグになれば、容積で約1割の減量になります。

 資源の節約、販売店の経費節減、ごみ減量―とまさにエコロジー&エコノミー。
製造者責任の欠如、過大な税金負担など問題の多い容器包装リサイクル法を変えていくためには、一方で「物を使い捨てない」地域にしていかなければなりません。

 レジ袋から、ペットボトルや容器プラスチックのおかしさに気づくなど、販売・購入という誰もが関わる消費行動を通じて、ごみを出さないまちをめざそうと、「むさしのマイバッグ・キャンペーン」は85店舗と市民を相手に目下、爆走中!


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