ごみっと・SUN56号
東アジア環境情報発伝所代表/アジアごみ問題研究会メンバー 廣瀬 稔也
以下「家リ法」)により、家庭で使っていた洗濯機、ブラウン管テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫を廃棄する際に、消費者には≪リサイクル費用と収集・運搬費用の支払い≫、家電小売店にはその≪収集・運搬≫、家電メーカー等には商品に応じて設定された≪再商品化≫が、それぞれ義務付けられた。 その背景には、年間約60万tにも及ぶ一般家庭からの廃家電のほとんどが埋め立てられ、埋め立て処分場の限界が近づく自治体が悲鳴をあげていたこと、そうした家電製品にはリサイクルできる有用な資源が多く含まれていたことなどがあった。
環境省の発表によると、2005年度に回収された廃家電4品目の合計は約1,162万台と年々増加し、各品目の再商品化率も法令上の義務を大きく上回っている。
そこで、法の附則に則った施行5年後の制度の見直し作業を行うため、2006年の6月より環境省の中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会家電リサイクル制度評価小委員会と経済産業省の産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルワーキンググループの合同審議がスタートした。
環境省のデータでは、家リ法対象品目の不法投棄台数は、微増にとどまっているが、人目に触れないものは当然カウントされておらず、把握されたデータに依拠し、廃棄時にリサイクル費用などを支払う家リ法が不法投棄の増加につながってはいないと断定することは難しい。 自治体での不法投棄対策費用も増加しており、廃棄時の料金徴収が不法投棄につながる可能性が高いことが指摘された。 さらに、ここ最近、中国などへ輸出される廃電子・電気機器(E-waste)のリサイクル過程で起こる環境汚染や人体への健康被害も深刻化しており、家リ法のルートにのらない“見えないフロー”の一部が、海外でのE-waste問題につながっているという懸念もある。 また制定時は、小売店の回収の利便性などから、配送品目であることが家リ法の対象商品の選定基準となったが、対象品目数が少なすぎるので、最近はやりの液晶薄型テレビや電子レンジなどもっと対象品目を拡大すべきという声も多く聞かれた。 容器包装リサイクル法での議論と同じだが、リサイクルのための法律であるため、家電を修理して長く使うことで発生抑制につなげようという発想の欠落も問題だ。
また、家電を廃棄する際に、どんな大型家電でも解体し不燃ごみとして出すという人や不法投棄をすると堂々と答える方もおり、ルールに外れた家電の廃棄が、それほど遠い話ではないこともわかった。 この他、街の声からは、われわれ市民にとって、家リ法が改正されることで、どれだけ3Rが推進し、廃棄物と環境負荷が削減されるかという当たり前の視点が大切だということを実感した。 現在の審議会の議論は、リサイクル費用を前払いのままとするのか後払いに変更するのかといった現行法のテクニカルな点にフォーカスされすぎているきらいがある。
普通の市民の感覚では、リサイクルの手続きが煩雑だ。
また、前述のE-waste問題への対応として、海外を視野に入れた制度設計や回収率の向上も不可欠であろう。 そして、3RのトップにくるReduceのためにも、環境配慮型設計を推進し、修理しやすく長持ちする製品の提供を促す制度こそがもっとも必要とされるだろう。
新たに法律をつくるわけではなく、既存の法律の改正では、そもそも論に立ち戻っての大幅な改正は難しいと聞く。 また、われわれもよりよい改正の実現に寄与すべく、改正市民案をまとめ積極的に法改正論議に参加していきたいと考えている
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