ごみかんとリンクする人 日本のごみ問題が研究テーマです
フレンドリースタッフ 李 欣栄(一ツ橋大学大学院社会学研究科博士課程) |
李さんは、中国からの留学生です。 ごみっとの発送作業などを手伝いながら、最初は、手も口も絶え間なく動かすごみかんの面々に 圧倒された様子でしたが、懲りずにフレンドリースタッフを引き受けてくれています。 学業と生活を両立させて、きっと苦労も並大抵ではないと思うのですが、将来の夢に向けて頑張っている李さんから、私たちもエネルギーをもらっています。 環境派の彼女VS経済派の夫、という難問にも立ち向かっている(笑)そうですが、 この研究の成果もそのうち聞かせてくださいね!
私は六年前に中国の内モンゴルから来日しました。 内モンゴルは私の出身地で、日本に来るまで、地元に離れたことはほとんどありませんでした。 内モンゴルは中国の北にあり、西から東まで細長く中国の全土にまたがっています。 モンゴル族という少数民族を中心にして、自治区と呼ばれています。 西部では、壮大な草原が広がっていて、畜産業が中心になっていますが、東部では、平野や森林の資源が豊富で、農業を中心にやっています。 私はフフホトという町で生まれ育てられました。フフホト市は内モンゴルの政府所在地として大きな町ですが、経済や文化が発達しているとはいえません。 小さい頃から、外の世界に憧れていて、外の世界を見るのがずっと夢でした。
地元の大学を卒業して、銀行に勤めることになりました。四年間の勤務を終え、日本に来られました。 今は、日本の生活にすっかり慣れましたが、最初の頃は言葉の問題もあり、日本のことは新鮮で、今までに自分が生きていた世界との違いが大きすぎて、なかなか慣れませんでした。
ごみ問題に関わったのは、主観的、また客観的な誘因がありました。 まず、主観的には、来日したときに、最初に教わったことは、ごみの分別でした。 実際に生活をしてみると、毎日出る膨大なごみの量と、それに分別排出、分別回収というやり方が新鮮で驚きました。 ごみのことをもっと詳しく知りたくなりました。私の関心を一橋大学・社会学研究科の 岩佐先生が支えてくださり(客観的)、先生のところで勉強することができました。
2000年4月に、一橋の大学院に入り、今は博士課程の三年目になりました。 修士論文は「循環型社会の構築に向けて…廃棄物問題と循環型社会基本法の検討を中心に…」といった内容で、主に日本における廃棄物問題を論理的に勉強しました。 この勉強を通じて日本などの先進国についての環境問題、そして、先進国より地球規模の環境問題への影響を知るようになりました。
発展途上国の立場に立って、「環境先進国」=日本のことを批判的に見直すことができました。 大量生産・大量消費・大量廃棄型社会が行き詰まっていることを現実として認めざるを得ず、 そのために、環境意識の転換やライフスタイルの見直しなどの環境革命を私たち自らの行動によって喚起しなければなりません。 消費者としての私たちにもっと知っておきたいことはたくさんあると思います。 その思いで、現在、環境教育を熱心にやっています。
今は、アルバイトと少しの奨学金で生活を支えていますが、今後の進路を考えてみたら、三つほど挙げられます。 一つ目は、大学の先生になることです。 二つ目は、環境センターや研究所で研究を続けて行きたいです。 三つ目は、翻訳の仕事をやりたいです。 目標はばらばらになっていますが、日本にいる限り、学業をきちんと終えたいと思っています。
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