ごみっと・SUN59号
容リ法の改正を求める全国ネットワーク 事務局 服部美佐子
「資金拠出制度」の審議では、自治体への拠出金の算出方法をめぐって、事業者と自治体の意見が食い違っています。
質をよくする、つまり効率化する量(想定量)をどのように算定しようかということが議論になっています。 拠出額は想定量に想定単価をかけたものとされています。想定単価は事業者が再商品化費用を払うときの委託単価、過去3年間の平均値という考え方に落ち着きそうです。 自治体側は、市町村が5年ごとに国に提出する「分別収集計画量」と実際に収集した「収集実績量」との差を想定量にしようと言っています。 一方、事業者は自治体が前年の10〜11月に容器包装リサイクル協会(容リ協)に提出する「引き取り契約量」と「収集実績量」との差(誤差は10%程度)を想定量にしようと主張しています。 この方法だと、実績量が確定する3月までの期間はわずか5ヶ月ですから想定量も少なくなってしまい、質をよくするには期間があまりに短か過ぎます。
全国市長会の委員は「効率化をするには5年間のインターバルが必要。
マテリアルとケミカルリサイクル計8人のリサイクル事業者も委員として出席しています。 プラスチック製容器包装のリサイクル費用が高止まりしていて、その背景にはケミカル(化学的)より再商品化費用が高いマテリアルの割合が年々増えていることが挙げられています。 マテリアルでは、もともと収率(リサイクルできる割合)も45%でいいことになっており、現状では半分が残渣になっているといわれ、市町村で手間とお金をかけて集めているだけに、問題となっています。
だからといって、マテリアルの優先をはずしてしまうというのは、あまりに短絡的というほかありません。 また、ケミカル事業者のヒアリングでは、各々手法が優れていることを力説しつつ「マテリアルの優先をはずすして、受け入れを拡大したい」と本音をのぞかせました。 資源の有効利用と環境配慮の両面から考えて、着地点をどうするか、今後のプラスチック製容器包装リサイクルに直結する問題なので、注目してください。
毎年、(財)日本容器包装リサイクル協会が行うリサイクル事業者の入札結果は、3月末に容リ協のHPで公表されます。
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