ごみっと・SUN54号
変えよう!「容器リサイクル法」

衆議院で改正法案の審議が始まる
容リ法の改正を求める全国ネットワーク 事務局 服部美佐子

 

 5月9日の本会議で小池環境大臣が法案の趣旨説明を行い、国会での審議がスタートしました。
この間、全国ネットでは、ロビー活動や院内集会、議員へのメール作戦などに取り組んでいます。

事業者の自主行動計画とは
 3月28日、ペットボトルリサイクル推進協議会プラスチック製容器包装リサイクル推進協議会など業界8団体が「自主行動計画」を公表しました。これは中間まとめにあった事業者責任を回避するために経団連が審議会の後半に打ち出した「自主行動計画をつくり排出抑制する。
費用の一部負担は不合理、事業者の排出抑制は限界。
価格の内部化は空論…」などの提案に沿ったものです。

 8団体は「3R推進団体連絡会」をつくって、2004年度の実績を元に10年までの目標値を各団体ごとに設定しました。
ところが目標値はどの業界を見てもたった1〜3%程度の減量という低い数値です。
さらに、名称に3R推進を掲げつつも「再使用」については調査研究に止まっています。
次の改正までの5年間は今まで同様ワンウェイのみ、欧州では当たり前のリターナブルペットボトルは見込みなしです。
費用の一部負担は不合理などと言っていながら、このように消極的な計画でお茶を濁そうという訳です。

 改正法案の第4章「排出抑制」には、国が事業者に指導、助言、勧告、命令を出すとなっています。しかし、国が事業者に高い目標値を設定すれば別ですが、この「自主行動計画」では、肝心のごみが減るとはとうてい思えません。

 超党派の国会議員がつくる「リサイクルシステム懇談会」でこの件に関し、経産省の井内リサイクル推進課長は「自主的計画はあくまで事業者の判断であり、内容についてどうこう言うつもりはまったくない」と答えています。
事業者責任の代わりに打ち出した「自主行動計画」も法案を出してしまったら、この通りです。

国会審議のゆくえ
 現行法の問題点として、ごみ処理の延長線上のリサイクルに過ぎないことが指摘されていましたが、改正法案にも「発生抑制」と「再使用」が含まれませんでした。
この点について国会で質してもらおうと、全国ネットではロビー活動やメール作戦で議員に訴えてきました。

 9日の本会議では岩永峯一議員(自民党)と村井宗明議員(民主党)の質疑が行われました。
岩永議員は冒頭に「自治体の収集費用は事業者が負担すべき、リデュースとリユースが不十分、ごみが減らない、プラスチック製容器包装のリサイクル費用が高い」などの意見を述べ、内心「異議なし」と思いましたが、小池大臣は費用負担について「事業者が市町村に資金を拠出するしくみで事業者と自治体の連携が進む」と官僚のシナリオそのままの答弁でした。

 衆議院の環境委員会は5月中に審議を終える予定です。
19日は全国ネットが民主党の参考人として招致されています。
一方、自民党は環境省と縁の深い全国都市清掃会議、公明党は審議会では常連委員の崎田さんです。
政党の参考人にも拘わらず、まるで環境省が人選したようです。

 今回の法改正で国会中継をwebで見ることができるのを初めて知りました。
ぜひ皆さんもご覧ください。審議のゆくえを最後まで見守りたいと思います。


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