ごみっと・SUN53号
変えよう!「容器リサイクル法」

最終まとめより後退した「改正法案」
容リ法の改正を求める全国ネットワーク 事務局 服部美佐子

 

 審議会のまとめは市民や市町村が求めた事業者責任は強まらず、お金の工面や配分でお茶を濁すだけの結果になったことは前回お伝えしました。
その後、環境、経産、農水、厚労、国税の関係5省庁の調整を経てまとめられた「容リ法改正法案」が3月10日に閣議決定され、国会に提出されました。

法案から消えた「発生抑制と再使用」
 「…論点整理の中で排出抑制という言葉が使われていますが、3Rというのは発生抑制、
再使用、それからリサイクルです。
排出抑制といっても、特に容器の場合は消費者に渡ってから抑制するのは難しいので、発生抑制という文言に改めていただきたい」(05.01.26合同会議議事録より)長々と引用しましたが、審議会での筆者の発言です。
中環審では「発生抑制及び再使用の推進」という項目で散々議論されていたにもかかわらず、
法案では「発生抑制」と「再使用」が消え「排出抑制」の文言しかありません。

 条文に「(事業者は)容器包装の使用の抑制や合理化をする」という記述はありますが、「特に必要な業種」などと範囲を限定し、製造や流通段階で無駄なものを省くという「容器包装の発生抑制」とは似て非なるものになっています。
これまで通り自治体での「リサイクル」が主、事業者は補助、という意図がみえます。

有料化の法制化がなくなったレジ袋
 マスコミがこぞって取り上げ、改正の「目玉」となったレジ袋の「有料化」は法案では明記されていません。
削減量などを設定して一定規模以上の小売業者などに報告を義務付け、著しく不十分な場合は国が勧告・公表・命令を行なうという条文があり、レジ袋はこうした容器包装(有償である場合を含む)のひとつと解釈できます。

 この法案が通ったとして有料化がどこまで徹底されるか、現段階では予測できません。
また法の施行は2008年の4月からなので2年先です。事業者への働きかけをさらに強化して法律を実効性のあるものにしていく必要があります。

 それにしても事業者もあれほどウェルカムだったレジ袋の有料化。前人未到の法制化に踏み込めれば起死回生の一打になったはず。不甲斐ない!環境省。


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