マイバックで買い物に

店舗共通シール
なごや 「エコクーぴょん」

  レジ袋削減の動きがどの町でも活発である
一般的なのは、レジ袋を断る度にもらうスタンプやシールを貯め、台紙が埋まるとその店の金券代わりに使える、という方式だ。
マイバッグ持参を促そうと、多くのスーパーなどが取り入れている。
  だが、実際の効果となると、どうだろう。
レジでシールをもらう光景もあまり見かけない。
同じ店だけで台紙を埋めて還元されるまでの道のりが長過ぎるのも、消費者に敬遠される理由のひとつだ。
 

  名古屋市では市内全店舗共通シールが登場した
シールの名前は「エコクーぴょん」。
エコロジーとクーポン、そしてレジ袋をキャラクター化したウサギ(ぴょん)を合体させた、かわいいネーミングである。
  昨年10月にスタートし、現在、参加店は532店舗(2004年 1月5日)で、スーパーはもちろん、クリー二ング、薬局、カメラ屋など飲食以外の小売店、変わったところではモスバーガーなども名前を連ねている。
地下街の発達した名古屋市で栄地下街、名鉄地下街などの主要店舗が参加しているのも特徴だ。
  コンビニの不参加など、まだ目標の1,300店には及ばないが、いろいろなお店でシールがもらえるので、マイバッグ派の消費者が増える可能性が高い。
 

  この仕組みを動かしているのは
昨年5月、市民、事業者、行政が協力して容器包装の3Rを進めるために名古屋市が設置した[容器・包装3R委員会](事務局・名古屋市)だ。その第一弾が2005年までにレジ袋を3割減らそうという目標を掲げる[脱レジ宣言]である。
  参加店はシールを3R委員会よリ1枚2.5円で購入する。ここの店舗以外にチェーン展開している販売店などは取扱店として取りまとめを行なう。
一方、消費者はレジ袋や紙袋を断るとシールがもらえ、40枚集めると全加盟店で100円の買い物券として使える。
  回収したシールは、参加店や取扱店から3R協会まで返送され、還元金が支払われる、というのが一連の仕組みだ。
実施期間は2003年10月から2008年3月31日までとなっている。

  参加店には「エコクーぴょんの店」ステッカーが貼ってある
水色の地と、その名に相応しいキャラクターがポスターからシールまですべてのグッズに登場し、
目を引く。
家族ぐるみで集めれば、生きた環境教育にもなりそうだし、父親だけパスという訳にもいかなくなるだろう。
  また、市内で活動するグループであれば、団体として「エコクーぴょん」が利用できる。
シールを貼った台紙を50枚以上団体で取りまとめて協議会に請求すれば、還元金が支払われる。
市民団体にとっては歓迎すべき特典だ。
 

  昨年、名古屋市役所に環境局ごみ減量部減量推進室の古谷室長を訪ねた。
「1,300店舗まで参加店を増やします」「ナゴヤドームでリユースカップをやりたい」など意欲的なお話が印象的だった。
  脱レジ袋も施策のひとつである「リ・スタイル」(リデュースを優先とする3Rの推進)への挑戦は、名古屋市の廃棄物処理基本計画の行動指針だ。
出口対策から入り入り口対策へ軸足を移し、グリーンコンシューマー、グリーンカンパニー、グリーンシテイ(行政)を目指す名古屋の「エコクーぴょん」。
その行方が楽しみである。


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