エココロジーな暮らしは
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そこで始めた
『エコロジーはエコノミー』
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ポケットに入る太陽電池 “バイオレットソーラーギア”

  お久しぶり、ごみっとかーさんです。
1月ほど前に、生協のカタログで、ぐっとくるものを見つけました。それは小さなソーラーパネルで、うたい文句が「光から電気を作る、持ち運び出来る小さな装置」。商品名は「モバイル太陽電池=バイオレットソーラーギア」(株式会社太陽工房)
  使ってみたい!よかったら、ごみっとで紹介したいと思い電気に詳しいごみかん会員の大沢さんに使ってもらい感想をお聞きすることにしました。


自然エネルギーの充電器

 オートバイで長距離の一人旅や、山の中でキャンプをしながら数日間を過ごすことが好きな私は、実はこんなものがあればいいな…とずっと前から思ってていたのです。
山の中でも懐中電灯、ラジオ、カメラなど電池はよく使うのです。だから、長い期間山に行く時ほど、電池はたくさん買い込まなければならないのです。

  さて、5月初旬の天気のいい日に、屋外に置いて充電の様子を調べました。電池を入れないでテスターで測定すると、5.8Vもの電圧が出ています。(カタログでは最大出力:750mW(4.8V 155mA)
電池を2本入れると2.4Vから充電が開始されました。太陽が西に傾いても、パネル面を太陽に合わせることで充電は続きましたが、自宅では隣にマンションがあったり、南西方向に高い樹木があったりで日照が良くなく、充電は完了しませんでした。

  翌日、日当たりのいい場所に車を移動させ、車の天井の上に置いていたら昼頃に単3電池2本の充電完了のサインが確認されました。さらに、次の2本の充電を開始。真昼の天頂からの日射は強烈で午後4時頃には充電完了。

デジカメでテストしてみたら

  この4本の単3電池で5年程前に購入した古くて消費電力の大きいデジタルカメラをテストしてみました。
この充電式ニッケル水素電池「バイオレッタ」は容量1600mAhと、現在のニッケル水素充電式としては容量が多い方ではありません。

  しかし、使ってみるとカメラはメモリーいっぱいになるまで撮ってもまだ余力充分でした。普通のアルカリ乾電池なら最後の頃にもう1セットの電池交換となるはずなのです。電気をたくさん消費する古いカメラが余裕で使えているのです、驚きでした。
これは使える!

  セットの中には、他のモバイル機器(ポータブルCD・MD、PDAなど)にも使えるようなキットが入っていたのですが、残念ながらふさわしいモバイル機器は持っていませんでした。携帯電話の充電も出来るのですが、山の中は「圏外」であることが多かったり、移動したりするので、今回は試しませんでした。

大量の廃乾電池問題

  今、国内の電池全体の総生産量は49億個。使用済み乾電池の大半はそのまま埋め立てられています。
85年から日本電池工業会が乾電池の無水銀化を進めた結果、96年以降に国内で生産されている乾電池は水銀を含んでいませんが、今のところ国内では唯一の廃乾電池処理をしている野村興産イトムカ鉱業所(北海道留辺蕊町)によると、「外国製や古い乾電池には水銀が入っていて全国から送られてくる乾電池の2、3割に水銀が入っている」ということです。水銀含有の電池が未だに埋め立てられていることになります。

  さらに亜鉛、マンガン、ニッケルなど資源の有効利用の観点からも積極的にリサイクルを進めていく必要があります。国内の乾電池流通量は年間49億個(6万〜7万トン・電池工業会の推計)で、野村興産が請け負うっているのは約1,950自治体(全自治体の約6割)から年間約7億本(1万トン)を回収、テレビの磁石部品の原料などに再生しています。
残念ながら約85%が埋め立てられています。

  いずれにせよ、ここでも電池生産者は作るだけ作って儲けて、後始未は税金、そして環境汚染です。
ちなみに、東京・立川市では1年間に乾電池と蛍光灯で約50トン、処理費用として約600万円をかけています。
三多摩では日の出処分場が乾電池を受け付けないため、埋め立てられてはいないはずで、1年間で約1,400トンが野村興産に送られています。

製品の評価

  こうしたことからも、乾電池を充電式に替えれば500回は使えるとしていますので、資源とお金や税金の大きな節約になるでしょう。この「バイオレッタソラーギア」と「バイオレツタ電池」は商用電力100Vから充電するものと比較しても価格もそれほど違わないようですが、実用の面では安定供給の出来る家庭用電源の充電器にはかないません。

  しかし、自然エネルギーを利用した充電器は、子どもたちの教育の面や、アウトドアでの使用、より自然に暮らしたい人にとっては大変魅力的な製品でしょう。
直射日光の下ではソーラーパネルの取り付け部分の角度を調節する機構がへたり、畳まれてしまうことの改善。また、防犯上と風などで吹き飛ばされないように紐とクリップ等を付けられるようにしたほうがいいと思いました。

記:大沢 豊(東京・立川市在住)

  関連情報

  充電器本体 5,000円(税別)
  充電式ニッケル水素電池単3、4本入り 2,000円(税別)
  充電式ニッケル水素電池単4、4本入り1,600円(税別)
  ☆ケーブル、USBアダプターなどは別売りです。

  株式会社太陽工房
  電話:03−5649−6680  ホームページ


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