ごみっと・SUN 32号
スーパーの通いポリタンク
澄川 沃(ごみかん会員・武蔵野市)

  容器に関わるメーカーに再商品化が義務付けられた。こうしたことがきっかけになったのだろうか、いくつかの大型スーパーでは、2〜3リットルのポリタンクを購入すると、容器が使える限りその中味である飲料水を何度でも無料で持ち帰れるサービスを実施している。

  私の住む東京都・武蔵野市周辺で、吉祥寺の西友と、練馬のサミットの2軒でこのサービスを行なっているのを見つけた。
吉祥寺駅北口・サンロードの西友では、1階のインフォメーションカウンターの横にその機械が置いてある。間口1.5mほどの機械で、蛇口が中央にある。
水が欲しいお客は『マイナスイオン水良水倶楽部』の会員になって(会費などは無料)、専用容器(3リットルのポリタンク・500円)を購入すれば、一日一回限り無料で飲料水を入手することが出来る。
マイナスイオン水とは水道水にマイナスの電子(マイナスイオン)を供給した水のことである。

  ちなみに、私が訪ねた8月15日の吉祥寺店の売水量は88本であり、多めに見積もって、260リットル/日となる。
西友では他に荻窪、小金井店で同様なシステムを導入している。今はやりのマイナスイオン水については議論のある所だろうが、コメントは別な機会に譲りたい。
西友は、グリーンビジョン2005の一環として、このシステムを取り入れたものと思われる。1997年からマイバック運動も続けている。

  練馬のサミット石神井台店においても同様にポリタンクリユースによる(飲料水販売システムを採用している。給水装置は、やはり1階のインフォメーションカウンターの横に間日1.5mに給水機が2台と容器洗浄機が並んでいる。
この店は、ポリタンクを買うと、買水権利ができる。3リットルボトルが680円、2リットルボトルが580円で買える。

  同店のポイントカードを持っている人は、3リットルが480円、2リットルが380円と安くなっている。客寄せの一つの手段であろう。
こちらは一度ボトルを買うと、1日に何度でも採水しても良い。一日の売水量を聞くと、給水機1台で1日200ボトル、2台で400ボトル、1ボトル平均2.5リットルとすると1日にちょうど3m/日となる。
水質は、基本的に蒸留水だという。
蒸留水は純水に近く、飲料水として問題ありと聞いているが、どうだろうか。

  サミットはこの近辺では井荻店でもこのシステムを持つている。両者ともこの企画はうまくいっているようである。何回でも採水できるところが利用度をアップさせているのかもしれない。

  スーパーの飲料水サービスはペットボトルを買うよりは、ずつと安上がりにおいしい水を飲めるから人気があるのであろう。
日本の場合は、衛生上の問題があって生水を飲めない諸外国と違い「より良い水を飲みたいという理由で、ペットボトル入りの水が大量に買われている。

  「水を買うこと」の是非はさておき、ポリタンクの繰り返し使用を取り入れるスーパーの姿勢は、
リユース社会へのチャレンジとして高く評価したい。
また、ごみとなるペットボトルを減らしていくためにも、利用する消費者が増えて欲しいものである。


前のページに戻る
ページトップへ