2002年6月23日、日曜日。梅雨のさなかのことで、ごみかんの象徴、太陽(SUN)は顔を見せなかったけれど、なんとか降り出さずにすんだ午後、いつになく晴れがましい雰囲気で、ごみかんのNPO法人化を記念しての設立レセプションが開かれました。
夏を意識して(?)サザンオールスターズのバラードの流れる中、
理事長の挨拶、お客様からのお祝いと励ましの言葉、乾杯。 小金井市のオーガニック&スローフード『やどかり』さんのおいしいお料理とビールで交流タイムも盛り上がり、おおぜいの方々から、南風のように暖かなメッセージもいただいて、まずは順風満帆の新しい船出となりました。
田浪正博理事長の挨拶
ごみかんもおかげさまで発足より5年経ち、NPO法人となった。今年は『沈黙の春』出版から40年、この本から影響を受けた人も多いと思いますが、私も30数年前カミさんにすすめられて読んでショックを受けた。 ごみ問題に取り組む上で、物事を論理的に考えることは大事だが、一方で不合理なことは多々ある。埴谷雄高の著作に『不合理ゆえに吾信ず』という本があるが、不合理だから信用するんだという気持ちも大事じゃないかと思う。
坪井照子さん(ごみ問題五市連絡会理事長)
1973年からごみ問題に関わっているが、ますます悪い状況になっている。今、焼却ごみをどう考えたらいいのか、必死で考えなくてはならない時代だ。柳泉園では11月から新炉でプラ焼却を始めているが、旧炉の解体時の汚染が心配。 化学物質過敏症が実際まわりででている。これらのことを、ごみを持ち込みながらどう考えるかが直面している問題で、今、代替案作りに取り組んでいる。
田端裕さん(大磯町議会議員)
さまざまな自治体に住む方々が垣根を取り払った本当の意味の広域化を実現しているのが「ごみかん」。 大量生産、大量消費の構造を打ち破るためにはごみ減量しかない。 いつでも減量、どこでも減量、元気に減量。 乾杯の発声も減量でいきましょう。『減量!!』
富山洋子さん(日本消費者連盟代表)
昔はちり、芥はあったが、ごみという言葉はなかったのではないか。戦後膨大な廃棄物が出現し、今それに押しつぶされそうになっている。廃棄物が環境、暮らし、いのちを脅かしている時代といえる。 『ごみ・環境ビジョン21』の名前の持つ意味は深い。この大きなくくりの中で、なにを目指して生きたらいいのか問われている。 21世紀はじめ、思いもかけなかったことが起きたが、これは20世紀の私たちの生き方が突きつけた状況だ。 100年かかって生み出した悪は100年かかって戻さなくてはならない。 おおきな展望を持ちながら、毎日こつこつと誠実に生きてゆくことが大事だ。
安在尚人さん(FoE Japan事務局長)
FOEは、ごみかん発足のきっかけとなったドイツのBUNDと兄弟関係にある。専門的な知識を持った団体とパートナーシップを持とうと計画しているが、ごみかんはその第1号。 共同企画で今、ファストフードショップの調査を一般の人の参加で進める「ごみ探偵団」を展開中。
栗山佑子さん (星の環会代表)
『いのちのまちをつくる ゴミのへらしかた』を一緒につくり出版した。ごみかんのすてきなポリシーを、プロの編集を通して教育の場や子どもたちにもアピールしたい。ごみかんを知る人が増えれば、世の中がきれいになると思っている。
森 良さん(ECOM代表)
環境教育は環境問題を教えることだと誤解している人が多いが、問題を解決する人を育てる事だと考えている。じぶんで調べ、自分で動く。では皆さん手をつないでください。 今日はごみかんの新しい出発ということで、一緒に振って『フレー、フレー、ごみかん!!!』 (このあと、森商店の店開きとなり、ECOMの出版物が並んだ。さすが実践家!) |