ごみっと・SUN 29号・講演会・学習会報告
予防原則(Precautionary Principle)ってなに?

 予防原則の先進国・スウェーデンから、化学物質政策コンサルタントのパール・ロザンダーさんを招いての勉強会。
 バールさんは「環境問題は、証拠がはっきりしないのが特徴です。生態系の反応はとても複雑で、深刻な被害が予想されても原因と被害の因果関係を証明するのは難しく、曝露から影響がでるまでの時間が長いので結果的に対策が遅れてしまいます」と、環境政策における予防原則の必要性を訴えました。
 また、パールさんは予防原則の重要な要素として、次のような項目をあげました。

● 「予防的措置」は、因果関係が明らかでない不確実な状態でも実施する。

● 環境や健康を守るため、不可欠な達成目標を長期で立て、それを具体的に達成していくために中期、短期目標をたてる。 (バックキャスティング)

● どのレベルの汚染なら安全かではなく、汚染をいかに削減するか、なくしていくかを検討する。

● 危険を伴う活動を維持する者が、その活動によって健康や生態系に被害が及ばないということを証明する。 (立証責任の移行)

● 常に、積極的に代替案を探求し評価する。(「とりやめ」という選択肢も残しておく)

● 意志決定プロセスには、その影響を受ける可能性のある市民が関わる必要がある。

マーストリヒト条約(欧州連合条約)
 EUの環境政策は予防原則に則り、防御的措置を講じ、環境への被害に対しては発生源で対処することを優先し、費用は汚染者負担とすべきである。


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