ごみっと・SUN 28号
実践! 食べて感じて、はじまる循環型生活 (最終回)

神宮司 真人

 

次の世代が興味を持ってくれる仕事をしたい

 “これはエジソン以来の画期的な開発だ”という見出しで、前回少しさわりを書いた未来の照明器具「LED電球」が2002年 1月にカタログハウス社の「通販生活」春号に登場する。
その誌面の内容をかいつまんで紹介しましょう。
 これはたまげた。通常電球の定格寿命は1,000〜2,000時間なのに、本品(LED電球)は15倍の3万時間だ。おまけに、わずか2ワットの消費電力で通常電球20ワットレベルの明るさ。
 この電球の誕生で、将来は原発の数も減らせるんじゃないだろうか。
…毎日8時間点け続けても、10年間は切れない(通常電球なら1年間で切れる)。
…通常の電球ソケットとサイズは同じなので、そのまま、今あるソケットに差し込んで使える…現時点での問題点は、まだ量産期に入っていないので、価格が高い。
 価格が高いのは承知していますが、寿命いっぱいに使っていただければ、通常電球と差はないはずです。(3万時間使ったときのLED電球と通常電球のランニングコストについて比較している比較表があり、3万時間使えばコストも安くなる、という計算値だ)

 このような文面であとはLED電球や使用例などカラー写真で誌面を構成しています。 さあ、このLED電球がどれくらい売れるものか。
カタログハウス社の試算は3,000個売れてくれれば、と、かなり弱気の反応だ。120万部を超えて売れているというカタログ雑誌「通販生活」の読者は、環境配慮への意識が高いとしながらも、結局は自分にとって「得か損か」で買うか買わないかを決めると言う。
 「得か損か」を「環境への配慮」からみると…

●通常1年で切れる通常電球が10年切れない、つまりゴミになるまでのサイクルが長い→ゴミ減量
● 消費電力は同じ明るさで10分の1→省エネ(もう一つ、これは誌面では触れていないが)
●蛍光灯と比べてみると蛍光灯は「電磁波有り」
 「ゴミになるまでのサイクルは通常電球よりは長いが、LED電球の3分の1以下」
 「ゴミになったときは水銀を含むので有害ゴミ扱い」しかも「リサイクルにまわすとコストが高い」。
 LED電球は修理が効くのでリユースが可能だ。

 前号「アメリカ★エコロジー・ウォッチング」のアメリカ先住民の言い伝えではないが『7代先の子孫のために良いことだったら…』と考えられるならば「LED電球!」となるはずです。
 だが「得か損か」というのは経済的なことだけで判断してしまうと、その商品がどのくらい使えば、支払ったお金の元をとって得させてくれるか…が購入の決め手になるという。
『7代先の子孫のために…』なんて考える余裕なんてないのが現実。
 「通販生活」の誌面でも「購入代金の元は取れますよ」と必死に訴えているのがよくわかる。でも販売個数の予想の3,000個は「珍しい物好き」「新しい物好き」な人しか購入しない数といってもいいのだから、LED電球を誌面で目にした120万人の読者の反応も注目していきたいところです。
カタログハウス社の環境配慮した商品へのこだわり!という企業としての姿勢には拍手を送りたいです。

 『街の自然エネルギー屋』という看板を出して環境や自然や食をテーマに仕事を始めて4年目になろうとしています。ありがたいことです。
創業時は諸機関から「お馬鹿さん」扱いされていましたが、特に昨年は新聞や雑誌、テレビなど多くの取材が来ました。
また諸機関からも人が訪ねてくるようになりました。これまたありがたいことです。
次の世代の方々が興味を示してくれる仕事になるよう、これからもボチボチやっていきます。
今年もよろしくお願いいたします。


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