アサヒビール株式会社社長 殿 | 2004年7月12日 NPO法人 ごみ・環境ビジョン21理 事 長 田 浪 政 博 |
公 開 質 問 状
猛暑の候、貴社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。
私たちは、「ごみ・環境ビジョン21」という、ごみ問題を主なテーマに活動しているNPO法人です。特に、家庭ごみの約6割を占める容器包装類については、現在、容器包装リサイクル法の見直しに向けて、活動に力を入れているところです。
この点からも、貴社が年内に販売を予定されているという「ペットボトル入りビール」は、大変問題が大きく、また社会的にも、これがアルコール飲料だけに、特に未成年などの若年層にも多大な影響を与え、ごみ容器の散乱に拍車をかけることにつながると懸念いたします。
さらに問題なのは、現在でもペットボトル容器は、ラベルやふたと本体の材質が異なり、自治体の中間処理場ではふたを一つ一つ手選別するなど、リサイクルにかける手間や収集コストに大変苦慮している現実がある中で、今回の新容器は、特殊なコーティングやフィルムを使用し、いっそうリサイクルを阻害する要因になると考えます。
以上のことから、ビールというアルコール飲料を「軽くて自由な形のおしゃれな容器」で販売することについては、反対の表明をすると共に、貴社の企業理念にもつながることと思いますので、以下の事項について質問いたします。
生産者・販売者としてのお考えをお聞かせください。
1.消費者ニーズがあっての新容器の開発なのでしょうか。
| ビールをペットボトルで飲みたいという消費者ニーズに関する資料がありましたら、ご提示ください。 |
2.ペットボトル容器については、資源削減(軽量化)やカラーペットボトルを透明に変更する | など、業界挙げての改善がされてきたと認識しております。
また、貴社におかれましても、「アサヒスタイニー」などリユースびんビールを販売するなど環境に配慮した企業姿勢を高く評価しております。 この度の新容器の開発と販売は、こうした流れに逆行すると思いますが、いかがお考えでしょうか。 |
3.新容器は、通常の清涼飲料容器のペットボトルと同様なリサイクルが可能なのでしょうか。
4.容易に持ち運びができ、長時間かけて飲めるペットボトル容器を、ビールに使用することに | ついて、社内ではどのような議論がなされたのでしょうか。
また、なされなかったのでしょうか。 |
5.貴社が扱う飲料類の、びん、缶、ペットボトルの容器別・販売比率、将来ビジョンについて
− 以上 −
恐れ入りますが、7月20日までにご回答ください。
また、ご回答内容は、公開させていただきますのでご了承ください。
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