市民ごみ大学セミナー2007#2 講演録

環境負荷と循環コストを減らす方法を考える

どう進める?プラスチックリサイクル


 4月1日から「改正容器リサイクル法」が施行されました。レジ袋の削減は進みそうですが、プラスチック製容器包装のリサイクルは「分別が難しい」、「費用が高い」、「資源化残渣が多い」…など、さまざまな課題が浮き彫りになっています。

 ごみ環境ビジョン21ではこれまでもプラスチックをテーマにごみ大学を開催してきましたが、今回は環境負荷を減らし、リサイクルコストを最小限に抑えるには『どのようなリサイクルがふさわしいのか』を考えるセミナーです。

 自治体での分別収集から再商品化までを視野に入れ、専門家、リサイクル業者、自治体職員の三人を講師に迎えました。情報を共有化して、解決に向け歩を進めたいと思います。

基調講演 「循環型社会から廃プラスチック問題を考える」

独立行政法人 国立環境研究所
循環型社会・廃棄物研究センター長
森口 祐一 さん

 プラスチックリサイクルの動向
 容器包装リサイクルと廃プラスチック問題
 よりよい仕組みづくりへのコミュニケーション
 循環型社会とは
 循環的利用の優先順位

 プラスチックの生産と消費
  グラフ 「プラスチックの生産量・消費量・排出量・利用量等の推移」
 プラスチックごみと再利用
  グラフ 「プラスチックの資源化・処理処分内訳の推移」
  廃プラスチックの循環的利用量、処分量の内訳

 ペットボトルとその他プラスチックの違い
  グラフ 「PETボトルの生産量、回収量」
  グラフ 「ペットボトルおよびその他プラスチックの再商品化平均落札単価の推移」
 プラスチックのリサイクル技術
  図 「廃プラスチックのリサイクルプロセス」
  図 「適用する技術と用途から見たプラスチックのリサイクル手法」
  グラフ 「その他プラスチックの再商品化別の引取量、再商品化量の推移」

 容器包装リサイクル法とは
 容器包装プラスチックリサイクルの現状
  図「容器包装リサイクルをめぐるモノとカネの流れ」
 リサイクルのコスト・LCA評価の研究より
  図「ライフサイクルの各断面におけるコスト」
  図「LCAによるリサイクルの効果の評価」
 結論に代えて

容器包装プラスチックのマテリアルリサイクル

NPO法人プラスチックマテリアルリサイクル推進協議会代表
潟潟塔O取締役兼CEO
 山根 宏充 さん

 プラスチックのリサイクルに関わったきっかけ
 マテリアルリサイクルの工程
  図と写真「容器包装プラのマテリアルリサイクル」

 現状と課題
  @排出量の推移
  A再商品化単位の推移
   表「材料リサイクル製品の用途別内訳」
   写真「マテリアルリサイクル製品事例」
  Bコストが高い
  C再資源化率の低さ
  D再生品の付加価値の向上

 マテリアルリサイクル事業者の取り組み
 容器包装リサイクルのあるべき姿
  図「容器包装リサイクルのあるべき姿」
 協議会からのお願い

市民・事業者・行政で、ごみを30%減らす…G30の取組み

横浜市資源環境局資源政策課長
 浜田 雅己 さん

 「G30プラン」とは
 5年前倒しで目標達成
  グラフ「ごみ量の推移と目標」
 今後の取り組み
  表「今後の削減計画」

 逆転のの発想「G30」というネーミング
 分別品目の拡大と集団回収の推進
 事業系ごみの対策…さらなる分別の徹底
 プラスチック容器包装の問題点
 理解と行動で現状を変える

質 疑 応 答

森口さんへの質問
Q1.プラスチックの資源化の上での課題
   特に安全性の問題、中間処理施設での取り扱いについてお考え聞きたい
Q2.「燃やさないごみ」あるいは「燃えないごみ」を発電の出来る炉で燃やすことについての考えは
Q3.プラスチックメーカーがリサイクルしやすいものを精査することは可能か
   リサイクルしやすいプラスチックを使う社会システムの構築は可能か
Q4.どのように分別収集すれば残渣が少なくなり、コストが減少するか
   容リ法に乗せない資源化は可能ですか
Q5.発泡スチロールの皿で着色しているものはリサイクルする上で不便ではないか
Q6.PP,PS等素材別のリサイクルについて合同会議ででの方向性について詳しく聞かせてください

山根さんへの質問
Q7.PPとPEが混じったものはそのままペレットにされるのですか
Q8.環境汚染対策についてお伺いしたい

浜田さんへの質問
Q9.ごみ減量に関するPR費用はどれくらいですか
Q10.分別の種類を増やすことによる経費増は
Q11.ごみ減量による経費削減は
Q12.その他プラスチックの中間処理施設に対する問題はありませんでしたか
Q13.一人一日あたりのごみはどれくらい減りましたか

資  料

中央環境審議会プラスチック製容器包装に係わる再商品化手法専門委員会および
産業構造審議会プラスチック製容器包装に係わる再商品化手法検討会
取りまとめ 『見直しの基本的な方向性』

  A4版 48ページ 定価 500円/送料82円

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