市民ごみ大学セミナー 講演録

自治体のこれからの選択

新たな状況を迎えたプラスチック処理


 原油の高騰が続く中、廃プラスチックの資源としての価値が高まり、国内外で使用済みペットボトルが有価で取引されるようになりました。
また、その他プラスチック類についても、従来の処理からリサイクルへ切り替える自治体が増えています。

 しかしながら、一方で汚れや異物の混入など廃プラスチック特有の事情もあり…
「分別収集に躊躇している」「特定の容器に限定して収集する」「焼却や埋め立て処理を続ける」…
自治体も少なくありません。

 ごみ問題が社会問題化して久しくなりますが、家庭ごみにおける廃プラスチック類はますます増え、
自治体のごみ処理を常に悩ます存在です。
ごみ・環境ビジョン21では容器包装リサイクル法の改正など新たな状況を踏まえつつ、東京・三多摩地域30自治体に「プラスチック処理・資源化に関するアンケート」を行いました。

 本セミナーではアンケート結果の報告と各界のパネリストを迎えて今後のプラスチック処理について
議論を深めました。


東京・三多摩地域30自治体
プラスチック処理・資源化に関するアンケート結果

ごみかん理事 小野寺

1.最終処分場の延命が至上命題

2.ポイント1…その他プラスチック容器包装の分別収集実施状況と拡大意向

3.ポイント2…ペットボトルのリサイクルルート

4. ポイント3…その他プラ収集の有料化実施状況と実施意向

5. ポイント4…容器包装以外のプラスチック製品の処理


パネラーのプレゼンテーション


T プラスチック処理に関する雑感
轄イ野環境都市計画事務所 代表取締役
佐野 敦彦 さん
1.Key Question
 (1)手段としてのリサイクルを目的視するのはなぜか?
 (2)容器包装リサイクル法では、プラスチック処理・資源化手法を油化、マテリアルリサイクルに
   限定させたのか。
   また、それを広げようとしているのか。
 (3)家庭系を中心とするプラスチックの処理・リサイクルは何が課題で、今後どうあるべきか。
 (4)プラスチックの処理・リサイクルは中長期的な視点からどうあるべきか?

2.手段としてのリサイクルを目的視するのはなぜか?

3.サーマルリサイクルがクローズアップされてきた

4.家庭系プラスチックの処理・リサイクルの課題

5.廃棄物問題とリサイクル問題に関わった20年

6.プラスチック処理に関する論点

7.「廃棄物回避」を優先するドイツのルール

8.マテリアルリサイクルの経済的合理性

9.ごみの焼却の歴史経過とプラスチック処理

10.ルールが先か、市場メカニズムが先か

11.市場メカニズムが働かない容リ法

12.プラスチック処理をどこまで自治体が負担する?


U 「その他プラスチック」商品化の現場から
プラスチック容器包装リサイクル推進協議会 専務理事
滝田 靖彦 さん
1.プラスチックの再商品化の現状
 ☆ 資料
  @市町村の分別収集の状況
  A指定法人における再商品化事業の状況
  Bプラ容器包装再商品化の方法

2.コストや汎用性に疑問がある「材料リサイクル」

3.その他プラスチックの品質を見直す

4.材料リサイクル優先は問題

5.産業界としての提案


V 多摩地域で容リ法一番乗りした自治体では…今
武蔵野市環境生活部クリーンセンター 主査
小瀬 隆男 さん
1.武蔵野市のプラスチック処理の歴史
 ☆ 資料
  @武蔵野市の不燃残の組成〜平成11年度
  A武蔵野市の不燃残の組成〜平成14年度
  B武蔵野市の埋め立て処分容積(一部試算)と配分

2.もし、プラスチックごみを全て埋め立てていたら
 ☆ 資料
  C武蔵野市の埋め立て処分容積(一部試算)と配分

3.容リ法以外のプラスチック焼却までの経過

パネルディスカッション

 ディスカッションをパネラー間で行うのでなく、会場の参加者とパネラーとのディスカッションで行いました。
参加者に配られた用紙で質問・意見を出してもらい、これに対してパネラーが意見を述べたり、質問に答える形式で進行しました。
多様な意見が飛び交い、会場の利用可能時間一杯まで延長し、熱のこもった意見交換の場となりました。

 多岐にわたっていますので簡潔にまとめてご紹介できませんが、本書24ページから40ページに詳しく記述しています。

  A4版 40ページ 定価 500円/送料 82円

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