ドイツに学ぶ環境教育
開催日 99年 6月 9日  
ごみ・環境ビジョン21 

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1.「ごみは出さない・燃やさない」
・・・・・ ダイオキシンに厳しい環境先進国ドイツの環境教育に学ぼう
◇産業界…利潤の追求=大量生産・大量販売・大量廃棄が前提

◇行政…地方自治法や廃棄物の処理および清掃に関する法律(廃掃法)に則り、
  公衆衛生の視点で処理をする

  収集→運搬→焼却→埋め立て=ごみの受け皿づくり

◇消費者…ごみステーションに出した後、その先は無関心

2.ごみをとりまく状況の変化
◇生産・流通業界への法的規制がなく、野放し状態
  使い捨てのごみが大量に焼却施設や、処分場に持ち込まれて、慢性的不足状態

◇65年以降に始まる焼却炉建設は、家庭から出る生ごみ(=低カロリー)を対象に
  設計されている

  ところが、社会生活の変化にともない、高カロリーのプラスチックが大量に搬入されている
  例)*包装材…紙からプラスチック *衣・食・住の変化…化学繊維、建材、家電など

◇焼却による有害物質の発生
*焼却比率…全ごみ量の73%を燃やしている
*焼却施設…世界の7割=約2,000施設が日本に集中
*焼却炉は化学物質の発生プラント! … 塩化ビニールが燃えるとダイオキシンを発生する
*可塑剤はホルモン(環境エストロゲン)である
*食品用ラップ、ビニールかさ、水道管、ビニールタイル、壁紙、波板など
*ダイオキシン発生の9割は…焼却施設から→川→海→プランクトン→魚→人(=食物連鎖)
  摂取の98%は食物から(60%は魚介類)、2%は大気

3.ごみを元から断つ国・ドイツ
◇国の仕組み

  循環経済・廃棄物法(1996年制定)
*ごみを出してから処理を考えるのではなく、発生の前に厳しい法律によってごみを回避する
*どうしても出てしまった物(ごみ)は、環境や福祉と調和する形で再利用する。
 それでも残ったものを摘正に処分する
*製造者責任=作る時点で、ごみにならないよう設計し、長くて使えて修理できる物を作る
  デュアル システム=二重システム
*包装材令・1991年施行・・・・包装材はメーカや販売者が回収し、再利用の責任を負う

◇フライブルグ市の環境政策
*30年前の原発反対運動がきっかけ→基礎研究所ができる。独立した科学者の集団
*交通対策=自転車、路面電車、公共交通優先、地域環境定期券
*市が関与する催し物での使い捨て食器の禁止(1991年)
*ごみ焼却の禁止(1992年) … ドイツの環境首都に選ばれる。 (同年)

◇NGOの役割
*BUND(ブンド)ドイツ環境自然保護連盟(1972年発足)2,200支部、会員25万人
*缶のないコンサート、缶のないゾーンを作る運動、包装なしの買い物
*エコメッセ(環境商品メッセ)食器洗い屋さん、エコステーション
*新入学児のためのパンフレット(ごみにならない学用品を買いましょう)
*全国の幼稚園教師にハンドプック『エヨロジカルな幼稚園を無料で送付』など
*ブンド・ユーゲント(青少年組織)  他にドイツ自然保護連盟=NABU

◇環境教育は幼稚国から地域社会へ
*ごみのない学校づくリ メルディンガー学校“みみずの食べない物はごみ”ごみ回避の実践
学校から大入へ、そして村全体へ。州で一番ごみ量が少ない。数々の賞を受ける
*学校のカリキュラムとしては日本と変わらない
*教師の裁量に任されている。学校生活全てに亘って環境問題を取り入れるのは自由。
 教師はフォーラムなどに参加。クラプ活動に環境保護活動
*行政のごみ問題アドバイザーが学校で減量や分別など助言。環境問題の成人学級
*環境保護団体の働ききかけ エコメッセの『緑のクラス』、
 エコモービル(走る自然保護センター)
*環境センター エコステーション、自然公園センター、学校生物センター…実践もともなう
*企業による環境教育  講座の開催

4.循環型社会へ向けて
*パラダイム=共通の前提、基準、価値感の転換 (例)使い捨ての缶ではなく、リターナプル瓶
◇ごみの発生抑制    ごみを出きない、作らない
*3つのR Reduse(減量) Reuse(再利用)  Recycle(再資源化)
*企業の役割→製品の回収・再利用  製造者の廃棄責任を法的に明確にする
*行政の役割→厳しい監視体制   脱焼却・資源化システムの導入
*市民の役割→正確な分別   塩ビ製品、使い捨て容器の不買
*環境と未来への責任を考えて、自分が気持ちよく暮らしていくために、できることから始める
◇絶望でなく夢を与える環境学習を!
*家族(子どもたち)が学ぶ→自分のまち(地域、行政、学校など)を暮らしやすいまちに変える
*社会の仕組み(国、産業界)を変える

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