公演日 2003年 6月15日
前に戻る<プロローグ> 今までは陸上の動物で子どもに人気のタヌキ、ウサギ、サル、パンダなどが登場し、棲んでいる環境の悪化を訴えてきた。 板橋区エコポリスセンターの出演が決まり、人気者のあごひげアザラシの“タマちゃん”が登場する脚本を作った。 最初に現れたのは東京の多摩川、川の名前から“タマちゃん”の愛称で呼ばれ、次に横浜市の鶴見川、更に帷子川へと移動。 そして東京都と埼玉県の境を流れる荒川に移動し埼玉県の朝霞市に現れた。板橋区は荒川沿いにあり、朝霞市とは直ぐ近く、ご当地人気キャラクターに問題提起の役を担ってもらった。
<キャスト>
[第一場] 荒川の土手
動物語翻訳機「マルチリンガー」を肩に
“ごみっと”さん登場 6月15日・日曜日。ビジョンテレビジョン、午後のワイドショーです。 今日は私キャスターの“ごみっと”がスタジオを飛び出して、ここ荒川の土手から中継でお伝えしています。 荒川といえば・・・・・・そうです、“タマちゃん”です。現在はここ荒川に転居し、ここでも大変な人気で、この土手に大勢の人が、“タマちゃん”に会おうと詰めかけております。 さて、今日は画期的な展開を視聴者の皆さんにお届けできるはずです。チャネルを変えずにそのままご覧下さい。
私が持参しましたこの箱形の機械ですが、ビジョンテレビ・報道局が、荒川大学の板橋研究室と共同で開発した『動物語翻訳機』なんです。 特製のテレビカメラ
ところでまだ姿を見せていないようですね。 皆さんと一緒に呼んでみましょうか。 では、川の中まで聞こえるように大きな声で、せーの、 タマちゃーーん!
キュー、キュー
“タマちゃん”が皆さんの呼ぶ声にこたえて川から上がってきたようです。 『動物語翻訳機』を使って“タマちゃん”とお話ししてみましょう。 ドキドキしますね。 その前に、アザラシ語のソフトをセットしなければ、と、これで良いはずですが。 “タマちゃん”こんにちは!
コ・ン・ニ・チ・ワ
テレビ史上初のアザラシへのインタビューです! “タマちゃん”、あなたは一体どこからやってきたのですか? タマちゃんへのインタービュー
ナガイナガイ旅デシタ。 ワタシ、ドウシテモ人間ニ言イタイコト アッテ、イッショウケンメイ泳イデキマシタ。
これは、思いがけない展開です。! それで、何を言いたくてやってきたのですか?
6,000頭モノ、ゴマフアザラシガ、 ウィルスニ感染シテ、死ンデシマッタノデス。 マエニモ、2万頭イタ、北ノ海ノアザラシノウチ、 1万8千頭モガ死ンダ事件ガ、アリマシタ。 死ンダ、アザラシカラ、水銀ヤカドミウム、鉛ヤPCBナド150種類モノ有害物質ガ 検出サレマシタ。 コンドノコトモ、オナジヨウニ、人間ノ世界カラ流レテキタトオモワレマス。
大変なことが“タマちゃん”から訴えられました。 北の海でアザラシがたくさん死んで、その原因は私たちの出している有害物質というのです。
北ノ海デハ、何十万年モマエカラアッタ氷ガドンドン溶ケテイマス。 コレモ、人間ノ暮ラシガ地球の温度ヲ上ゲテイルセイナノデス。
北の海で起きている異変を訴えに来たというわけなんですね?
一刻モ早クナントカシナイト、被害ハドンドンヒロガリマス。
一体どうしたらいいのでしょう。とにかくまず、事態の分析が必要です。 今、ビジョンテレビのエコポリススタジオに荒川大学の板橋博士をお呼びして いますので、とりあえずスタジオに戻って、博士から詳しく解説していただくことにしましょう。 “タマちゃん”、どうもありがとうございました。
ドウカヨロシクオネガイシマス。
それでは、この後はコマーシャルを挟んでスタジオからお送りします。
[コマーシャル]
臨場感を出すための種々な工夫を凝らしたが、日頃見慣れたワイドショーに近づけるため、テレビカメラを肩にしたカメラマンも登場し、そしてコマーシャルの時間も取った。
[第二場] エコポリス特設スタジオ <なぜ、北の海が汚れたの?>
さっそく荒川大学の板橋博士に登場願いましょう。
実は最近、髪が薄く、太り気味なので研究室の学生から大先輩の「鉄腕アトム」の“おちゃのみず博士”に似てきたと言われ、喜んでいます。 会場の皆さん、似ていると思いますか? 私は荒川大学で海に棲む生き物を研究していますが、“タマちゃん”が訴えたことが、研究からも分かってきました。OHPを使って分かりやすく説明します。 OHPシートの一部を紹介、セリフは省略
タマちゃんのためばかりでなく、私たちも安心してお魚や肉を食べられるのだよ。 今日から実行しよう!
今日はスタジオに板橋区内の小学生が大勢見えているので、感想を聞いてみましょう。 ・・・・・会場に降りて数人に感想を聞く・・・・ <どうしたら、ごみは減らせるの?> 熱演するゴミゼロリン
悪くしていることが分かりました。 なんとか、解決する方法はないものでしょうか? 今日はもう1人のお客さまをお呼びしています。 ご登場いただきましょう! ゴミゼロ国の大使、“ゴミゼロリン”さんです。
日本ノ皆サン、コンニチハ。 ワタシノ国デハ、地球ノ水、空気ヤ大地ヲ汚サナイタメニ、色々ナコトニ取組ンデイマス。 コレヲ、皆サンニ紹介シマス。
<ゴミの減らし方・日本で気になったこと>
☆ レジ袋は減らせる
日本の方でとても良い工夫をしている人がありました。
レジ袋は丈夫なので30回も使うことができます。こうすれば買い物袋を忘れても新しいレジ袋をもらわなくてすみます。
☆ ペットボトル、缶など使い捨て容器の飲み物が多い。
ドイツの暮らしの写真をOHPにて紹介しました。 ドイツ写真集をご覧下さい。
ゴミゼロリンさんありがとうございました。
私ノ国デ流行シテイル「ゴミ減ラシノ合言葉」ヲ紹介シマス。 大キナ声デ言ッテミマショウ。 イチ、ニ、サン 『減らそう、無くそう、ゴミゼロリーン!』
この問題は一度には解決できない大変なテーマですが、放っておけば、 いずれ人間にもアザラシと同じことが起こるに違いありません。 テレビをご覧の皆様、あなたも今日から、環境によい暮らしをしましょう。 みんなの努力が、北の海の生き物たちを救うのです。 それでは、今日のワイドショー時間となりました。また、お目に掛かりましょう。 会場の様子
前に1時間の出し物があり、大人向けのメッセージが多く子どもには退屈であった様子。休憩の間に帰ってしまった子どもがありました。
このため、私たちビジョン座の環境劇は空席が少しある状態で始まった。
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