ごみかん・夏の学校
森の中で ごみのことを 考えよう!
2002年 8月10日

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  環境学習部会では、夏休みに親子で参加できる企画をと、自然の循環を体験しながらごみのことを考えようという、“ごみかん 夏の学校”を企画しました。

  しかし! 最高気温を毎日塗り替えるような猛暑続きの8月のさなか。外へ出るのも勇気がいるような…。果たして人が来てくれるかな?と心配しましたが、5組の親子とホームベージを見て参加してくれた高校2年の男子生徒が2名。
身内もスタッフも入り乱れての20名が集合場所の東大和市立郷土博物館に集まりました。

  夏の学校のフィールドに選んだのは、郷土博物館の裏手に広がる狭山緑地。あの「となりのトトロ」の舞台となった狭出丘陵の一角にあり、東京の水瓶、多摩湖に隣接した森です。
ここをボランティアで里山の整備する活動をしている「雑木林の会」との共催事業ということで、講師は「雑木林の会」の代表でもあり、ごみかんのウェブマスター兼理事で、別名ビジョン座の竹とんぼ大学のバンブー博士こと、宮島和朗氏。

  まずは森へ入る前に、郷土博物館の会議室で予習です。
「ろうきん」の助成で購入したオーバーヘッドプロジェクターを使って、森の循環のしくみや、雑木林を利用してきた人の暮らし、使い捨てをする生活でごみが溢れてきたこと、本当の循環型の社会にするためには?…といったレクチャーを受けて、さて、いよいよ森の中へ。

森の中を探検だ
コナラの幹には赤いネットのバナナトラップ
カブトムシを誘っています
足下のフワフワな落ち葉を
掘ってみよう
昨年秋の落ち葉はもうボロボロ

  焼けつくような日ざしが遮られて、そこはまるで別天地です。
手入れされた森では、コナラやクヌギ、タケというように毎年同じ順番で落葉が積もって、地面はフカフカです。さっき予習をした土へ戻るしくみを確かめます。
  興味しんしんでそっと地面を掘つてみると…ミミズもダンゴムシもダニも菌類も、いるいる。さらに掘ると、落葉はボロボロに細かくなって、土に戻っていくことがよく分かります。
  堅い木の枝や幹も、キノコなどの分解者たちの働きで、枯れたあとはどんどん柔らかくフワフワになっていく不思議。

  「あれ?これは何?」切り株の上に、ちょこんと置かれていたのは、なんとカブトムシの角。
カラスなどの鳥は昆虫を食べますが、カブトムシの堅い角はさすがに食べ残して、ごちそうさま、というように、食卓に残していくそうです。
  ピカピカに輝く角の根元には金色の目がついていて、とっても芸術的。
カッコイイ!と目を輝かせてさっそく宝物にしたのはうちの息子でした。
  こんなふうに、実際に、いのちとものが繰り返し循環していく森の自然に触れ、お腹もすいて、次はお待ちかねのお弁当の時間。

森の中に作られた広場で
さあ!お弁当の時間です
 
森の中に古い手押しポンプ
ギコギコとハンドルをこぐと、
冷たい水がほとばしった

  休憩場所の広場で、木陰のベンチやテーブルで思いおもいにお弁当を広げると、初対面同志でもおしゃべりが始まります。
男子高校生たちは、今晩から青春18キップで行き先を決めない旅へ出発するそうで、「いいなー。17才は…!」、「四国なんかどう?四万十川とか」と話に花が咲きます。

  思えば、今この時代を生きる私たちも、大きな時間の流れの旅の途中なのかもしれません。いのちがすこやかに、くり返し生まれ続けられる持続可能な循環であればいいなあ…。
 なんてことを考えていたら、夏の学校のフィナーレが始まってしまいました。“さぁー、お弁当で出たごみを持つて集まって下さーい”
テーブルに並べられたのは、アルミホイル、ラップ、紙ナプキン、プラスチック容器、割り箸、バナナやぶどうの皮、紙容器、ペットボトルなどなど。
それを資源、可燃ごみ、不燃ごみなどに分けながら、“このごみを減らすにはどうしたらいいのだろうか”と話し合ったり、自然体験の感想を話し合いました。

穴を掘ってごみを
埋めてみました
  “さて、これらは土の中ではどうなるんだろう。
埋めて確かめよう!”ということで、宮島氏公認のヒミツの場所に、証拠写真に納めつつ、埋めたのでした。
晩秋になったら、“ビジョン座 秋の学校”で掘って確かめると聞いて、転勤先の北京からの帰省中に参加したMさん親子は“ごみかんのホームベージで見せて下さいね”と、とても楽しみな様子でした。

  今頃、あの人の中ではどんなことが起こっているのかな?…子どもも親も、若者も、同じ体験をしながら、ちょっぴりごみのことを考えた、“ビジョン座・夏の学校”の暑い1日でした。

環境学習部会 江川美穂子

  ごみかん環境学習部会では、今回の夏の学校のように、地域で活動している団体・グループとの共催で、自然の中でごみのことを考える親子講座をしていきたいと考えています。
 お申し込みや問い合わせは、ご連絡は電子メールでどうぞ


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